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ブラックホールの概説

ブラックホールの周りには、とても強力な重力場が作られるので、ある半径より内側では、脱出速度が光速を越えてしまい、光ですらも外に出ることが出来なくなります。

この半径をシュヴァルツシルト半径といいます。

シュヴァルツシルト半径をもつ球面を、「事象の地平面」または「シュヴァルツシルト面」といいます。

ブラックホール自体は不可視のものですが、ブラックホールが物質を吸い込むときに降着円盤を形成するため、そこから放出されるX線やガンマ線や宇宙ジェットなどにより、観測することができます。

ブラックホールというのは単に、元の星の構成物質がシュヴァルツシルト半径よりも小さく圧縮されてしまった状態の天体でありまして、事象の地平面の位置になにかの構造があるというわけではありません。

ブラックホールに向かって落下する物体は、事象の地平面をこえてそのまま中へ落ちていきます。

実際には、有限な大きさを持つ物体は強力な潮汐力を受けるので、事象の地平面にたどりつく前に素粒子レベルで破壊されてしまうと考えられています。

一方で、ブラックホールから離れた位置の観測者から見ますと、物体が事象の地平面に近づくにつれ、相対論的効果によって物体の時間の進み方が遅れるようにみえます。

よってその観測者からは、ブラックホールに落ちていく物体は、最終的に事象の地平面の位置で永久に停止しているようにみえます。

同時に、物体から出た光は赤方偏移を受けるので、物体は落ちていくにつれ次第に赤くなっていき、やがて可視光から赤外線、電波へと移り変わっていき、事象の地平面に到達した段階で完全に見えなくなります。

ブラックホールの中心には密度と重力が無限大である特異点があります。

特異点では、時空の性質を記述する一般相対性理論が成り立たなくなるので、特異点の性質などを従来の物理学を使って議論することは不可能です。

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