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宇宙の大きさ

宇宙の大きさについて

地球上から見ることの出来る宇宙の大きさは、人間が物理的に観測可能な宇宙の時空の最大範囲をさします。

地球から、人類が電磁波により観測可能な宇宙の果てとは、人間が観測できる光のうち、もっとも古い時代に光が放たれた空間を示します。

この空間から光が放たれたとき、すなわち約137億年前、この空間は地球がある位置から地球を中心とする全方向に、宇宙論的固有距離において、約4200万光年離れたところにありました。

そしてこの空間は、当時地球の位置から光の約60倍の速度で遠ざかっていました。

この空間までの現在の距離(共動距離)は、約465億光年と推定されています。

宇宙の晴れ上がりの直後から約137億年の間、宇宙はおよそ1100倍ほど膨張したと考えられています。

この空間は現在、光速のおよそ3.5倍の速度で地球から遠ざかっており、かつ宇宙が生まれてから現在にいたるまで、常に超光速を保っています。

つまり私たちが現在電磁波によって観測できる天体の中には、その天体が生まれてから現在に至るまで常に超光速の後退速度となるものが存在します。

天体から放たれた光が地球にたどりつくまでの時間に、光速をかけたものを光行距離といいます。

光行距離は、光が地球に届くまでの間に、光の旅した道のりを表します。

光行距離では、電磁波により観測される宇宙の果てから、地球までの光の旅した道のりは、およそ137億光年と推定されています。

これは光速に宇宙の年齢をかけたものですが、この値は上で述べた2つの距離(465億光年、4200万光年)と値が異なります。

なぜかというと、光が地球に届く間に宇宙が膨張し、光の道のりが延び、さらに光を放った空間が遠ざかっていくからです。

つまり、光行距離はある時刻における空間上の2点間の距離を指し示すものではありません。

天文学では、光行距離を天体までの距離とみなす事が多いですが、それは現在の天体までの距離や、天体が光を放ったときの天体までの距離を表すものではありません。

あくまでも、我々に届く光が旅した道のりを表すものです。

以上のことをまとめると、今人間が観測することのできる最も古い時代に放たれた光は、およそ137億年前に約4200光年離れた空間から放たれた光で、

そしてその空間は現在465億光年先にあり、光は137億年かけて137億光年の道のりを旅してきた、ということになります。

わずか4200万光年の距離を光が進むのに、137億年もの時間を費やしたのは、宇宙の膨張が地球への接近を阻んだためです。

これは、流れの速い川を上流に向かう船が、なかなか前に進めないことに似ています。

宇宙空間の膨張は一般相対性理論により導かれます。よって、電磁波の媒体である空間の膨張により地球を基点としたときの、地球から離れた場所にある光の速度が変わっても、特殊相対理論の「光速度不変の法則」とは矛盾しません。

人間の観測可能な領域を超える宇宙は、共動距離的な意味での場合、インフレーション理論に基づき、より広大であろうと予想されていますが、今もなおその大きさが有限なのか無限なのかすら明らかになっていません。

光行距離的な意味ですと、137億光年以上の距離では宇宙の晴れ上がり以前となるため光が直進できません。

そのため地球への旅ができず、つまりはそのような距離そのものが存在しないことになります。

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